男性向けの小説の場合、嗜好品が物語の彩りや味付けに使われることが多々ある。
嗜好品という身近にあるものを通して物語に実世界を投影することで、感情移入を容易にしたり作者が持っているイメージの共感を狙ったものなのだろう。
男性向け女性向けという境界が明確にあるわけではないけれども、そういうアイテムの選択に関して性差があるのは事実だと思う。


女性向け(?)の小説に関しては私自身のnが少ないので一般的なことが言えないのだけれども、嗜好品ではない身の回りの小品がそういう役割を担う様に思う。


男性向けの小説のそれの場合、それが嗜好品であるが故に、それぞれのアイテムに関する情報が正しい場合、その効果は正しく発揮され物語に様々な彩りを与えてくれるが、その記述に誤りがあった場合、物語の本筋以上に心に引っかかってしまう。
そういうのに気づかされてしまうと、物語に没入できないばかりか、誤謬を探す読み方になってしまうのだ。
そんな読み方は悲しいだけだと分かっているのだが、自分自身どうしようもない。
そんな風に思うのは私だけだろうか?


楡周平さん