ファイアボール・ブルース 桐野夏生 著

ファイアボール・ブルース (文春文庫)
神取忍北斗晶が現役の時代には女子プロの中継を結構見ていたことを思い出した。
LLPWとか。
最近はバラエティーに引っ張りだこな感じもする北斗晶だけれど、個人的にファンだった時代もあったなぁと懐かしく思ったりしていた昨今だった。
解説は、鷺沢萠だし…並んだ人名だけ見ていても色々な感慨がある一冊になった。


とはいえ、プロットは単純きわまりない。
描きたい世界、描きたい人物ありきからスタートした印象が強い。
物語の一人称視点の人物に関する謎を長々と引っ張った割にはたいした答えが用意されておらず拍子抜け。
解答へと至る道筋については結構納得できるところもあったけれども、それ以上でもそれ以下でも無かったかも。


心象風景の描写もいまいちだし、この物語の要になるはずの試合などの格闘シーンの描写に躍動感が乏しく平べったい印象なのもいまいちかと。