愛を読む人 The Reader

愛を読むひと (完全無修正版) 〔初回限定:美麗スリーブケース付〕 [DVD]
うーん。
なんだろね。この邦題。
原題どおり、もしくは原題邦訳どおりでいいんじゃないかなぁ。


ま、それはともかく。


切ない。
正直言って、面会に行かなかった主人公の心変わりの意味が分からないくらい切ない。
けれどそれはきっと、戦後のドイツだから、バックボーンが深いから、幼い恋のみを軸としている作品じゃないから、しょうがないんだろう。
けどだからこそ、主人公が自らを「娘にすら壁をつくってしまう人間」であると述懐させるほどの後悔たりうるんだよね。
ホントに深いわ。


(以下、いろいろ)
けど、識字率が高く識字障害の人と遭遇する機会のほとんど無い日本では、ハンナが裁判で最悪の結果がでるとわかっていてすら、識字障害である秘密を守りたいという心の動きが、おそらく理解できていない感じがする。
ま、おいらの理解力の不足のせいだけど、職場で事務職に昇進したときにきれまくっていた理由が最初ピンとこなかったりね。


あと、アメリカ映画だからしゃーないんだけど、あれほど精密にセットとかキャストとかをドイツ風にしてるのに、ハンナが文字を覚えるシーンで結局英語ってのが結構寂しい。


原作に当たってないから正直良く分かっていないんだけど、

わずか1ページで終わった恋が、永遠の長編になる

という煽りからすると、最初の濃厚なラブシーンは物語の内容に比して過剰に濃厚に過ぎる気もする。
ま、15〜6の男なんて猿みたいなもんなんで、あんな感じがリアルなんだけど、逆にハンナが居なくなってからああいう初体験を年上の女性とした男が性的にストイックであるとは逆に思えず、初体験を糧にもっと奔放に人生を謳歌してもおかしくないと思えるくらいに見えてしまったんで、あのラブシーンの扱いは色々難しいかもしれない。
ま、それは完全に私の主観だけども。