死ねばいいのに 京極夏彦 著

死ねばいいのに
衝撃的なネーミングで目を引く本書。
読中感はいいけど、読後になーんも残らないのはいつも通り。
相変わらず、スケッチ的な文章というか…
沢山の言葉を連ねることで、ようやく一つの線を描いている様な文章なんで、一つ一つの言葉に力が無いからなのかなぁ。
いあ。
そのスタイルが読みやすさの源泉なんだろうから、それを批判してるわけじゃないんだけれども。
今作の場合、文中での表題くらいしか心に残らない。
まぁ、表題になってて心に残らない一文ってなんなんだ?ってことになるし、当たり前なんだけれども。


筋というか、構成は微妙かな。
それこそ殺された女性のアウトラインを描くのに、それぞれの人物のエビソードが必要なんだろうけれど、あまりの水戸黄門ぶりに倦んでくる。
しかも連載でやってた最後である、5人めのラストのところは、随分前からそうなんだろうな〜と思って多くの読者は読んでいただろうから、「あぁ、そう。」くらいにしか思わなかったんじゃないだろうか。


特に悪くはないけど、見るべきところもないなぁ。