テロリストのパラソル 藤原伊織 著

テロリストのパラソル (講談社文庫)
藤原伊織初読。


ものすごい吸引力です。
読みはじめからの数ページで、ぐいぐい物語に引き込まれていく感があります。
もう、面白い。
兎に角、面白いです。
主人公を始め、周りをかためる人物が皆、魅力的。
筋に関しても齟齬無く、伏線も生きています。
謎解きが多少性急な気もしましたが、全体としては文句の付けられない作品かと。



まぁ、筋には関係がないし、それを言ったら話が成り立たないのを分かっていて、それでも敢えて書きますけれど、アル中が格好良すぎです。
中島らものアル中描写が頭にこびり付いているからか、アル中を美化してしまうことに対して抵抗があるんですよねぇ、個人的に。
とはいえ、そう言う主人公だからこそ「傍流の哀」を強く感じるんでしょうから、致し方ないんですが。