氷雨 山田正紀 著

氷雨 (ハルキ文庫)

山田正紀初読。
正直言って、結構面白いです。
典型的なエンタテイメント作品だと思われます。
文書構成の特徴は、短文を連ねるタイプで、作品全体のイメージと同じように、重厚感を醸し出しています。
雰囲気はけっこう良いかも。
雨の描写なんか特に良い感じですね。
読みやすいし。
筋のどんでん返しも良い感じかも。


(以下ネタバレ)
つーても、ネタ的には無理がある場面が多いかな。
特に一番の無理は、ひき逃げで塗沫片が全くないというところ。
まぁ、最近の「外車」は「塗装技術が発達」したために、人間にぶつかっても塗沫片が全くないと言う状況があり得るのかもしれないけれど、「○○ー」(ネタバレ)をひいたら、それはまずあり得ないだろ(^^;
変形する描写があるって事は、直接的に接触してるわけで、その状況で落ちない塗装があるんなら、教えて欲しいもんだ。
で、そこが無理だとすると、ストーリー全体としてネタの薄さが色々明らかになってきます。
そこが無理だとすると、その展開はないし、そこも無理って感じで次々と。

ま、エンタテイメント作品は、頭からっぽで読むのが一番ですかね。