どろ 山本甲士 著

どろ (小学館文庫)
山本甲士初読。
けっこ良いです。
日常生活のどこにでもありそうな陥穽を活写してます。
それもかなり明るく。


(以下ネタバレかも)
日常生活、特に仕事面でのリアリティーがすばらしく気が塞がる感が漂うのに対して、諍いに関わるときの主人公らのアドレナリンが噴き出す様な高揚感や明るい描写は対照的ですばらしい。
陰湿な内容をこれだけ明るく描写できるのは良いと思う。
ただ、終幕は呆気ないというか…突然直截的というかでかなり拍子抜け。
落ちも無い(陳腐?)。
まぁ、それしか終わりようが無い気もするけど、それにしても工夫不足かな。