サヨナライツカ 辻仁成 著

サヨナライツカ (幻冬舎文庫)
なんか、前読んでた本との落差がありすぎて…
一言でいうと…「ライトノベル」テイスト?(w
ま、そんなこと無いんだろうけれど。


表現は良いと思うんだけど…
プロットは陳腐で、先が読めすぎる展開。
1章の舞台を70年代に設定した2章構成だというのが分かった時点で、2章目の舞台や設定が自ずと読めて仕舞うと思うんだけど、どう?


(以下、ネタバレかも)
恋愛に対する、男の卑怯さ、弱さ、女々しさを良く表現する*1一方で、女性のそれはドリーミーに過ぎる*2ってか、妄想入りまくりな感じ。
まぁ、筋に文句をいう必要なんて無いとは思うけど、男がある意味の社会的成功を手にしているのに比して、女が没落して60歳代で悲しく死ぬってのは、陳腐で典型的なお涙頂戴ものって感じだよね。
この辺は「死ぬときに愛したことを思い出す」という主題からして、女は死ななければならなかったのだろうし、1章の部分を人生の半分にあたる部分にしておきたかったための60歳代の死という筆者の意図が見える。
読んだ時期が悪かったのかもしれないけれど、あんま評価に値しないかも。

*1:いあ、確かに男は昔の恋愛の事をぐじぐじ思い出したりするもんですけどね…

*2:女はみんなリアリストだとは言いませんけどね