ハンニバル・ライジング

ハンニバル・ライジング スタンダード・エディション [DVD]
ん〜。
なんか、あんま面白くないかな。


別に監督とかの制作サイドの日本人観が間違っていて相も変わらず中国文化と混同していようと、演じてるのが中国系の女優だろうと、それらをいちいち指摘して、それによってこの作品の評価を下げるなんて野暮なことはしていないつもりだけれど、とにかくあんまり面白くはない。
原作に当たってる訳じゃないから、元々の原作に問題があったのかもしれんけど、とにかくあんま面白くない。
レッド・ドラゴン」「羊たちの沈黙」のレクター博士に至る、彼の人格形成の部分を浮き彫りにすると言うのが、おそらく本作の主体的な意味たるべきなのに、それがほとんど出来ていない。
当然、芸術的な犯罪者としてのレクター博士に至る、成長(?)途上の彼を描いているわけで、犯罪の芸術性とか殺傷技術とかに未熟な部分があっても良いとは思うけど、それにしても犯罪そのものに粗がありすぎる。
芸術的な犯罪というか、自分に嫌疑が及ばない様な工夫によって完全犯罪を目指す知能の高さってのがレクター博士のウリだった気がするんだけど、本作の彼は、切り取った首を持って帰っちゃったり、人肉食をした痕跡を残して来ちゃったりと、最終的に刑事のお目こぼしで捕まらないで居られる単なる知能の低い殺人鬼、復讐鬼になっていて、どうにもこうにも前作と接続する気がしない。
レクター博士が人肉嗜食に至る描写についても戦争という特殊な状況下であったとしても、本作で提示している答は陳腐でつまらないもので、説明しきれているとは思えない。
本作後の紫との関係とかは気になるところだけれど、その辺も普通の神経からすると粗だよなぁ。
いあ、死体遺棄とか幇助する関係になってるわけだし、普通は離れられなそうだけどなぁ。