ブルーもしくはブルー 山本文緒 著

ブルーもしくはブルー (角川文庫)
えーと。
このImageのカバーじゃないんだけど、角川文庫だからまぁいいか。


引用のイメージは赤川次郎
「ホラーより怖いファンタジーである。」
って煽ってるんだけど、私の持っている方は裏面に

誰もが夢見る<もうひとつの人生>の苦悩と歓びを描いた切なくいとおしい恋愛ファンタジー
万華鏡のように美しい小説。

なんて書いてあって、それで買ったもんだから読んでて中身とのギャップにおどろきまくりました。
裏面の煽り書いてる奴は中身読んでねぇんじゃねぇのか?ってな感じ。
読んでたとしたら完璧騙しです。


内容については、はっきり言って怖いです。
恐ろしいです。
根源的な恐怖って言うのはこういうものなんだとよく分かりました。
女性心理の恐ろしさみたいのもかなり感じられるんですけれども。
これをホラーとして買っていたら、絶賛しまくると思います。
かなり良質なホラーです。この本。
ただ、なんか途中からそれに気づいた感じの書き方にもみえるんですけれど。


主題は兎も角として、主人公の女性は「男を見る目がない」と言うよりは男運が悪すぎという感じですね。
究極の選択云々って言いますけど、究極は究極でもどっちも選びたくない、選ばなくて済むならどっちも放り出したい選択肢だったりするわけで。
なんか昔流行ったゲームの様な。
「どっちにも正解はありません。」てな。
そういうのが主題じゃないと話にならないのかもしれないけど、なんか切ないですね。
男の側から見るからでしょうけど。