海の星座 津村節子 著

ISBN:4167265060
No ImageなのでISBNだけ。
津村節子初読。
恋愛小説*1旅行記と言った風情の小説。
恋愛小説にも旅行記にも造詣が深くないのでどーこー言えないですけど、食べ物の描写は結構美味しそうかなと。はい。


初出84年、文庫化88年と言うことで結構時代を感じます。
女性の社会進出とか経済状況とか色々。
本文にはあまり関係ないけど、昔の本を読むと携帯電話の普及ってのが人間の生活を大きく変えたことを実感させられますね。
電話待ちで動けないとかってのは無理になってますし、連絡が付かないジレンマに関してはその気持ち自体は変わらないにしても、連絡が取れるまでの空白の時間を長くすることが難しくなってますから。


個人的に、作中で登場する男の行動が昔の自分の姿に重なりまして、それを主人公の女性の心理描写で解説されますと、昔の自分の馬鹿さ加減を女性の側から詳細に評価されているような気分になって、小説に対して妙な面映ゆさを覚えたりしました。
「若さ=馬鹿さ」であるというのが不変の事実であるからかもしれないですが、そう言う思いを抱くというのは筆者の描写力の確かさから来ているんでしょう。

*1:よろめき系?っていうんですかね(^^;