地下室の手記 ドストエフスキー著 江川卓訳

地下室の手記 (新潮文庫)

地下室の手記 (新潮文庫)

戯れ言を戯れ言でなく文学へと昇華してしまうのがこの筆者たるところか。
と言うか、戯れ言をフィクションとして敢えて描くことで、そのスタンスのありよう、主眼がどこにあるのかをかなり暈かしており、1ページ弱の断章がかなり効果的な感じ。
主人公がかなり病的…というか、自ら「病気」だと述懐しているけれど、それを良く表現している。